お茶充生活

茶道の日常的な楽しみ方や和室でのマナー、妊娠・育児についてゆるく書いていくブログ

和菓子の食べ方 ~懐紙と黒文字、どう使う?どこで買える?~

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本日の目次

 

 

抹茶と一緒に出る和菓子。

「え、この紙に乗せて食べるの…?」

と、戸惑ったことがありませんか?

 

あるある~という人も、「そもそも紙って何の話?」と不安になった人も、是非知っておいてほしいのが「和菓子の食べ方」。

 

抹茶の飲み方には作法があることが想像ついても、和菓子の食べ方の作法は案外盲点。いざ出てきたときに困惑することが多いです。

 

 

とは言え、一度知ってしまえば難しいことは一切ありません。ここでは和菓子の種類をざっくりと説明し、食べ方についてもご紹介します!

 

 

お菓子の種類:干菓子と主菓子

 

茶道で使う和菓子の種類は大きく分けて2種類あります。

それが 干菓子(ひがし)と主菓子(おもがし)。

 

 

正式には、

薄茶(=普通に点てる抹茶)には軽く食べられる干菓子(=砂糖を固めたもの、飴系)

濃茶(=大量の粉を練って作る濃い抹茶)にはどっしりした主菓子(=あんこ系)

 

を出しますが、甘味喫茶や家でお客さんをもてなす時、お茶会の時などは、主菓子の方が満足感がある・見た目が華やかなどの理由で、薄茶と一緒に主菓子を出すことも多いです。

 

 

※和菓子には水分の量による分類の仕方で

干菓子・半生菓子・生菓子(上生菓子は生菓子の中で高級とされるもの)

 

という分け方もありますが、茶道菓子として使う 主菓子は、生菓子とほぼ同じだと思っていただいて大丈夫です。

 

 

干菓子と主菓子は、具体的には以下のようなものがあります。名前を聞いたことがなくても、なんとなく見たことがあるお菓子たちじゃないでしょうか?

 

★干菓子(=砂糖を固めたもの、飴系)

★生菓子(=あんこ系)

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※主菓子は個別のお菓子の名前ではなく、製法で分けています。 

 

この通り干菓子も主菓子もそれぞれたくさんの種類がありますが、食べ方は基本的に干菓子は干菓子、主菓子は主菓子で統一されているので、次で食べ方を見てみましょう!

 

和菓子の食べ方

 

懐紙と黒文字

和菓子の食べ方で重要になるアイテムが2つあります。

それが懐紙(かいし)と黒文字(くろもじ)です。

 

●懐紙

懐紙はたくさんの和紙が束になっているもので、My懐紙の場合は束のままお皿代わりに使います。

懐紙を持参していないお客さんには、一枚めくったものを出して使ってもらうこともよくあります。

※懐紙の代わりに銘々皿(めいめいざら)という小さなお皿で和菓子が提供されることもあります。

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●黒文字

黒文字はクロモジという木を削って作られている楊枝で、小さな箸のような見た目をしていますが、2本で一対となる箸とは違い、1本だけで和菓子を切ったり刺したりして使います。

茶道を習っている人は「菓子切り(かしきり)」という金属製のずっと使えるいわゆるMy箸のような道具を使います。それに対して、お客さん相手に割り箸感覚で出すのが黒文字。洗って乾かせば何度でも使えるので茶道部や家では使用後に回収します。お茶会などでは黒文字はお客さんが持ち帰っていいとされていますが、知人宅で和菓子に使った後は置いて帰った方が無難です。

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懐紙と黒文字、この2つの道具の役割を理解した上で、干菓子と主菓子それぞれの食べ方を見ていきましょう!

 

 

干菓子の食べ方

1、畳またはテーブルの上に置いた懐紙に干菓子を取る

※干菓子は一度に2種類(落雁&有平糖、琥珀糖&雲平など)ほど出されることがありますが、その場合は1種類ずつ取ります。

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2、懐紙をお皿代わりにして持ち上げ、乗せておいた干菓子を手でつかんで食べる

※基本的には一口で食べられるサイズの物が多いです。大きいものは手で割って食べた方が上品ですが、割るとぽろぽろに崩れてしまいそうなものの場合は、そのまま口に運んで大丈夫です。

 

 

主菓子の食べ方

1、畳またはテーブルの上に置いた懐紙に主菓子を1つ取り、懐紙ごと左手に乗せる

 

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2、黒文字で主菓子を1:2ほどの大きさに切り分け、小さい方を刺して食べる

※外側もあんこ生地で包まれている柔らかいものはすべて黒文字を使いますが、饅頭のように外側が固めの生地の場合、切りにくいので手で割って食べます。

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3、残った大きい方を半分に切り、1つずつ刺して食べる

※きんとんの周りについている小さな餡がぽろぽろ取れてしまい食べにくくなったら、黒文字を寝かせて餡を押さえるようにして集めると、餡がくっついてきて食べやすくなります。

 

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以上が干菓子・主菓子の食べ方です!

 

一度知ってしまえば、すぐに実践できる簡単な作法。

でも、知らないとその場で焦ってしまうものなんですよね…

 

もうあなたは大丈夫です。

是非安心して和菓子を楽しんでください!

 

 

Q&A

Q、懐紙や黒文字はどこで買えるの?

A、懐紙は茶道具屋さんや中川政七商店などの和雑貨屋さん、東急ハンズの手紙などのコーナー、デパ地下の抹茶が売っている所などで買えます。もちろんネットでも購入可能。ここでは一番オーソドックスで季節関係なく使えるものを載せておきますが、色や柄がついたオシャレな懐紙についてもまた別の記事で詳しくご紹介します!。

黒文字は近くに茶道具屋さんがなければ、ネット購入が早いでしょう。長さが色々ありますが、3寸(約9㎝)を買っておくのが一番使いやすいです。洗って何度でも使えますが、いちご大福など色の濃い果汁がつくお菓子を食べると、色がしみ込んで落ちなくなるので注意。

 

Q、なんで1/3ずつ食べるの?もっと大きく/小さく切ったらNG?

A、1/3という大きさは、茶席のお客さんとしてお菓子を食べるときのマナーである

 ①品よく食べること(大口を開けたりかぶりついたりしない)

 ②素早く食べること(抹茶ができる前に飲み終わるように)

 という2点を守りやすい大きさなのです。

 

 これは、お茶会などでは他のお客さんもいるため、自分ばかりがゆっくりしていると亭主(ていしゅ=ホスト)や他のお客さんに迷惑になってしまうということに配慮しています。

 しかし、正式な茶道ではお客さんも亭主や他のお客さんを気遣うという決まりがあるため素早さも重要になりますが、自宅や友人宅で気軽に抹茶と和菓子を楽しむというシーンであれば、切る大きさや食べる速さはさほど気にしなくて大丈夫です。

1/3じゃまだ大きくて食べにくいと思えば1/4ずつ食べればいいし、抹茶ができるまでに食べ終わらなければ、一旦お菓子を置いて抹茶を飲むという手もあります。 ただ、基本は抹茶が出る前にお菓子を食べ終わるものということを覚えておきましょう。

 

 

Q、黒文字だと食べにくいお菓子を手で食べようと思っても、本当に手掴みでいいのかと不安になります…

A、もし黒文字を使うべきか迷う主菓子が出てきたら黒文字を使う方が無難ですが、食べにくいようなら無理をせず、 「手で食べてもいいですか?」とホストに聞いてしまいましょう。「いいよ」と言ってもらえるか、代わりの食べやすい食器を出してくれます。

 

その他、疑問がありましたらコメントにお願いします(^^)